ゴミ置き場の庚申塔(北区神谷)
時に街中の路地にあり、ほとんど誰にも気づかれないで立っている庚申塔がある。大井町駅の閉店した商店のエアコン室外機脇の庚申塔とか、世田谷区砧の電柱脇の榛名山供養塔など、見つけた時は嬉しくなる。この庚申塔もそんなひとつではないだろうか。
たまたま訪問した時間だけかとも思ったが、どうもペットボトルのネットなどは常設っぽい。その真ん中に鎮座しているのがおそらくは庚申塔である。北区の文化財資料にも載っていたが、昭和の時代ですでに造立年も主尊像も不明となっている。しかしこういう神様?こそ実はご利益の深い神様ではないかと思うのである。
何の像があったのか、何が彫られていたのかはほとんど分からないくらい摩滅と破損が進んでいる。当然戦災も受けただろう。資料によると、本体右面には「文▢▢・・」とあり、左面には「右下村▢▢・・」とあるようだが、「文」が年号だとすると文化年間(1804~1818)、文政年間(1818~1830)、文久年間(1861~1864)のどれかの可能性がある。右下村は「下村:神谷村と赤羽村の間にあった小さな村」の事ではないだろうか。江戸時代にはこの辺りに東西に小川が流れていて、それが神谷村と下村の村境であったようなので、塞ノ神の要素も十分考えられる。
場所 北区神谷3丁目34-1
| 固定リンク
コメント