大安楽寺墓地の庚申塔(新宿区西早稲田)
高田馬場にある穴八幡神社の裏手隣地に墓所がある。ビルの脇の通路の奥に扉があり、その中が古い墓地。入口には大安楽寺墓地の石標が立っている。大安楽寺と言えば、江戸時代末期に吉田松陰や平賀源内を処刑した小伝馬町の牢獄跡地にある寺の名前である。
江戸時代ここには真定院というお寺があった。三代将軍家光とも関係のある古い寺院で、高田天満宮の別当寺だったが、明治維新の廃仏毀釈で廃寺となってしまった。その名残が現在もしっかりと残されている。この真定院は小伝馬町の大安楽寺を創建した俊海和尚が六本木不動坂にある麻布不動院の住職を兼ねており不動院の末寺であった。この関係で、現在墓地には俊海和尚の墓があり、大安楽寺に所属しているとのこと。
古い五輪塔がいくかあったがその一つが俊海和尚のものであろう。庚申塔はそのずっと手前側に2基あった。一基は駒型で、青面金剛像と邪鬼、三猿が描かれたもの。享保9年(1724)7月の年紀がある。また施主稲垣某の名も刻まれていた。
墓石の地蔵座像を挟んで角柱型の庚申塔がある。摩滅が進んでしまい、書かれている文字はほどんど分からない。ただ塔の上部に三猿が彫られている。造立年は不詳。その下部には梵字があり、6名の名前が刻まれている。知らなけらば入ってこれない墓所で、今後も残っていてほしいと願うばかりである。
場所 新宿区西早稲田2丁目3-26
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