大原町路傍の庚申塔(板橋区大原町)
都営三田線本蓮沼駅から400mほど北東にある交差点で国道17号線中山道と交差する道は古くからある道である。南の角には現在はセブンイレブンがある。この道は荒川沿いの岩淵から赤羽を通り、ここ本蓮沼を経て川越街道の下頭橋に出る。今はなんということのない交差点だが、江戸時代から明治初期にかけては、東が小豆沢村、北が志村、西が前野村、南が本蓮沼村と、4村の村境の辻であった。
そこからセブンイレブンの横を少し入ると、はるか以前に閉店してしまった商店らしき木造家屋の前に角柱型のいかつい庚申塔が立っている。造立年は文久3年(1863)12月だから明治維新直前である。正面には大きく「庚申塔」の文字が彫られ、上部に日月が描かれ、台石には大きく三猿が彫られている。
向かって右面には「富士大山 新井薬師 道」とあり、岩淵を経てここを通り、富士街道に抜けて富士山詣でや大山詣でをしたのだろう。向かって左面には、「武州豊嶋郡蓮沼村」の銘がある。文明開化期には蓮沼村は本蓮沼村だったはずなのだが、もう少し前の江戸時代の地図だとこのあたりは蓮沼村、志村、前野村、小豆沢村が複雑に接している。江戸末期に蓮沼村から本蓮沼村に変わったのだろう。
場所 板橋区大原町11-13
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