長徳寺の石仏(2) (板橋区大原町)
門脇に興味深い庚申塔や馬頭観音が並んでいたが、本堂前には大型の石仏石塔がいくつも並んでいる。そのうちからいくつかを紹介したい。
まずは珍しい形の地蔵菩薩坐像。台石と地蔵菩薩はもともとは別のものだったようだ。地蔵菩薩自体の造立年は文政8年(1825)7月。しかし、台石にある造立年とは別に地蔵の後ろに「昭和34年…吉田金三郎 蓮根村石工 野崎辨蔵」とあるのでややこしい。台石の方は「文政8年 武州豊嶋郡前埜村 施主 吉田浄善」とある。この地蔵菩薩が再建モノという可能性は高いが、台石によると月山秩父西国四国八十八所供養とあるので、またまた分からなくなった。
この並びの石仏は珍しいものが多い。上の写真の石仏は弁財天である。造立年は文化2年(1805)3月。「當村 長徳寺住大道代」とあるのでこの寺にて造立されたものである。
そしてこちらは大日如来像。とはいえ御本尊ではない。しかし古いもので、造立は寛文11年(1671)。光背には「奉造立大日尊像 天下泰平国土安全 大日▢▢一起 」とある。
最後に二基、左の光背型の地蔵菩薩立像は宝永6年(1709)7月の造立。尊像は地蔵ではなく釈迦如来である。「稲付村」の銘がある。右の一基は丸彫地蔵菩薩立像である。こちらの造立は享保7年(1722)3月である。
場所 板橋区大原町40-7
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