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2020年12月 6日 (日)

藤寺(伝明寺)の石仏(文京区小日向)

尾根筋を通る中山道、そこから急坂を下ると茗荷谷の底に至る。いくつかの坂があり、藤坂もその一つ。勾配は道路標識によると20%もある急坂である。茗荷谷は学生が多く、若い彼等でもこの坂を普通の自転車で上り詰めるのは極めて難しそうだ。そんな藤坂の坂下にある寺院が伝明寺、通称藤寺と呼ばれる。

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入口の地蔵の脇に「藤寺」と書いた石柱がある。創建は寛永元年(1624)、徳川家光が鷹狩りの帰りにこの寺の藤の木を上覧、将軍から「藤寺」と呼ぶようにと命じられたのが始まりで藤寺となった。入口の地蔵菩薩立像は創建年と同じ寛文元年(1624)の造立である。

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地蔵の左後ろにあるのが板碑型の庚申塔。上部に日月、その下に「奉修庚申為諸願成就也」とあり、三猿が陽刻されている。下部には施主がたくさん書かれていて、男性名女性名入り混じる。江戸初期から中期にかけての平和な町の様子を感じられる。庚申塔の造立年は寛文10年(1670)3月、創建から10年後である。

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本堂の前には種類の異なる石仏が並ぶ。どれも元は墓石のようだ。左から、大正6年(1917)7月造立の丸彫地蔵座像。二番目は享保2年(1717)2月に造られた舟型光背型の聖観音立像。中央は、如意輪観音像で造立年は不詳だが、没年が三つ、宝永7年(1710)、寛政12年(1800)、安政5年(1858)だが、最後の安政5年は隙間に彫り加えられたようなので、寛政年間のものだろう。あとの右の2基も如意輪観音像で、享保4年(1719)6月と宝永3年(1706)のものである。

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一旦道路に戻り、寺の竹垣の脇を行くと凹みがあって台石に尾張屋と書いたこの石仏がある。見慣れない尊像だと思い文字を読むと「十一面観世音菩薩」とある。頭上に沢山の顔が見える像で、例は少ない。

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十一面観音像の手前の足元の水鉢の脇に、駒型の小さな庚申塔がある。つい見逃してしまいそうなほど小さい。高さは41㎝程で、造立年は不詳。日月、青面金剛像、その下の邪鬼迄は見えるが、資料によると三猿もあるそうだ。この道路わきは工事中だったので、綺麗になったらこれはこれで別途拝観できるようになるのだろう。

場所  文京区小日向4丁目2-1

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