魚籃坂の地蔵尊(板橋区小豆沢)
小豆沢は武蔵野台地の北の端、荒川が作った河岸段丘にある地域である。中でも小豆沢体育館の東を走る魚籃坂は低地から台地上にクサビを打ち込んだように上っている谷地形で、これだけの谷を作る元の水源が台地上にあったと思われる。
上の写真の左側は体育館で二車線の道が魚籃坂である。右側に上る急坂の上には小豆沢神社と龍福寺がある。台地上の標高は23m、台地の下は6m程なので17m程の崖が一直線に東西に走っているのである。写真の中央に見える小豆沢神社へ上る道の法面に窪みがあり、そこに地蔵が祀られている。昔は石垣の法面だったが、現在はコンクリートに変わっており、地蔵もコンクリートのユニットの中に納められている。
新しい地蔵菩薩である。造立年は昭和16年(1941)3月とあるので、第二次世界大戦が勃発した時期のもの。台石は新しくなっていた。地蔵は年数が短いが既に傷みが見られ、やはり江戸時代の石材に比べて近現代は良い石材がないのかもしれない。何のための地蔵菩薩なのかは全く分からないが、きっと経緯があるのだろう。
場所 板橋区小豆沢4丁目17
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