塀の庚申塔[元文](板橋区小豆沢)
小豆沢の住宅街の中にスーパーの東武ストアがある。その向かいに広い一軒家があり、その塀の中に堂宇が作られており、庚申塔が祀られている。
塀の中のお宅は平岩宅。通りをあるく年配の方が庚申塔の前で手を合わせて拝まれている。人々の生活の中に庚申塔があるようだ。塀の堂宇に納まる庚申塔は駒型で、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が描かれている。造立年は元文4年(1739)11月。下部に小豆沢の銘とともに願主名が19名あるが、筆頭が施主の平岩武兵衛である。おそらく平岩家のご先祖様であろう。
駒型ではあるが縁取りがあり、他にはあまりない塔型である。材質は安山岩だが、厳密には玄武岩質安山岩と言えるかもしれない。地下のマグマが地殻の上部で急速に冷えて固まると火山岩になり、地底深くでゆっくり冷えて固まると深成岩になる。火山岩は二酸化ケイ素の含有量によって分類され、流紋岩、デイサイト、安山岩、玄武岩の順に重くなる。色合いも重い方がより黒っぽい。火山岩の分類には諸説あるが、安山岩と玄武岩の中間的な石材を玄武岩質安山岩と呼ぶこともある。
場所 板橋区小豆沢2丁目5-16
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