塀の庚申塔[延享](板橋区小豆沢)
小豆沢にはもうひとつ塀に収まった庚申塔がある。新河岸川の崖線をふか坂で上り、そのまままっすぐ南下する道筋、この道は古くからある道で、板橋清水町で中山道に合流した。この道は板橋区と北区の区境の道であり、昔は志村と岩淵町の境であった。
道路の向かい側は現在は北区赤羽北になる。塀の中は広い駐車場になっているが、これだけのまとまった敷地だとすぐにマンションが建設されそうで、そうなるとこの庚申塔もここにはいられなくなる可能性がある。駒型の庚申塔で安山岩だが色が独特の色。日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄で、「奉供養青面金剛」と右に、延享▢▢▢天正月と左に、残念ながら年数のところが欠損している。延享年間は1744年から1747年までである。
側面には、「東 川口ぜんかうじ道(善光寺道) 西 祢りまふじ道(練馬富士道)」反対側には「みなみ 江戸道 北 あづ沢はたしハ(小豆沢渡し場)」と道標を兼ねている。基壇には、「武州豊嶋郡峡田領小豆沢村」とあり、願主名が左右にも記されている。願わくは開発があっても残してほしいものである。
場所 板橋区小豆沢2丁目36-15
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