大龍寺の庚申塔(北区田端)
北区田端に上田端八幡神社と並んでいる寺院が大龍寺。八幡神社の前の通りは八幡坂通りと呼ばれ、田端駅方向に向かっての上りである。当然この坂には八幡坂という名前が付いている。江戸時代は上田端と下田端に分かれていたので、田端には八幡神社が二柱ある。上田端八幡神社の別当寺が大龍寺である。
大龍寺の創建は不詳だが、慶長年間(1596~1615)という説がある。天明年間(1781~1789)に浄仙寺から大龍寺に改名した。この寺には有名な俳人である正岡子規の墓があり、そこから別名を子規寺と呼ぶ。寺は立派な本堂とビルで豪華、ビルの裏手に墓所があり、一部整理中だが石仏もいくつか祀られている。
地蔵や層塔に囲まれた場所に庚申塔があった。かなり摩滅が進んでいるが、駒型の庚申塔で、「奉供養庚申」の文字と陽刻の三猿が見られる。造立年は享保6年(1721)10月だが、ずっと野ざらしだったのか、はたまた石材の問題か、文字を読むのもきびしい。庚申塔の横に地蔵、如意輪観音、聖観音と異なる尊像の塔が並んでいるのが面白い。
場所 北区田端4丁目18-4
| 固定リンク
コメント