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2021年3月16日 (火)

来迎院前の石仏群(品川区大井)

来迎院は千年以上もの間、隣接する鹿島神社と共にこの地にある。創建は安和2年(969)、南品川の常行寺の僧が当地に鹿島神社とともに創建したのが始まり(ちなみに私事だが常行寺の傍の保育園へは昔、孫を毎週迎えに行き、境内を何度となく通路に使っていた)。江戸時代も鹿島神社の別当寺であった。この辺りは江戸時代は城軍の鷹場でもあり、徳川家光は来迎院で休憩していたという。

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現在本堂とは道路を挟んでこの石仏堂宇が並んでいるのには訳がある。昔は堂宇も本堂も一つの境内の中にあったが、戦後池上道から第一京浜を繋ぐ道路が本堂と堂宇の間に通されてしまったのである。しかしこの道路、現在でもかなりの交通量があり、本堂との往来はなかなか大変である。

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さて、安置されている石仏だが、右の堂宇には2基の舟型の地蔵立像がある。右の小さい方は明暦2年(1656)11月造立で、念仏講によるもの。地蔵の右側に弐拾一人という文字がかすかに読める。今はそうでもないが、かつては家裁により尊顔の周辺が黒くなっていたという。右の背の高い地蔵立像も同じ火災に遭った。こちらの造立年は万治2年(1659)霜月(11月)とあり、こちらは同行8人という文字がある。

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右の堂宇と中央の堂宇の間にあるのは、笠付角柱型の供養塔。高さは2m近くある。造立年は寛文7年(1667)2月。中央には「南無阿弥陀仏」と大きく書かれ、脇には「當座道場大井村念佛講中」「生諸佛家願主然誉念信」とある。大井村の念仏講中による供養塔である。

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中央の堂宇には庚申塔が2基と不動明王が1基祀られている。右の笠付角柱型の庚申塔は日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、延宝8年(1680)11月の造立。中央の不動明王像の基壇の前にある香炉が三猿なのは不可思議で、この香炉(もしかしたら手水鉢の可能性もあり)は昭和15年(1940)に増山きんという講中者が奉納したもので後付けである。この不動明王の基壇正面には「圓順法印繁昌 吉川元実娘清」、右面には「吉川氏繁昌 中澤氏繁昌」、左面には「大野氏繁昌」と書かれている。裏面には「不動尊 天女尊 御供料料田八畝廿七歩」とあり、宝暦9年(1758)8月の年紀がある。左の駒型庚申塔は延宝9年(1681)3月の造立。日月、青面金剛像、三猿の図柄で、下部には「信心施主 高野敬白」とある。

左の堂宇には、真新しい聖観音像、不思議な組み合わせの六面燈籠、首の異なる聖観音などがあるが、時代のものはない。なお最初の全体写真の左端の堂宇の外に燈籠が見えるが、寛政8年(1796)に庚申講中によって建てられたものである。

場所  品川区大井6丁目15-22

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