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2021年3月25日 (木)

鳳林寺の石仏(杉並区高円寺南)

高円寺南2丁目に集まっている寺院は全部で7寺。6寺が曹洞宗で1寺が日蓮宗。南側に並ぶ4寺はすべて曹洞宗だったが、北側の桃園川に近い方に並ぶ3寺は西から、曹洞宗福寿院、日蓮宗長善寺、そして曹洞宗鳳林寺である。曹洞宗が大多数を占める理由についてはよく分からないが、移転して集まった寺町の場合はよくあることである。

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鳳林寺は永禄元年(1558)に江戸牛込御門舟河原(現在の新宿区市川船河原町)で開山、寛永12年(1635)に舟河原の寺域が御用地とされたため、牛込七軒町(現在の新宿区弁天町)に移転した。江戸時代の切絵図を見ると、通りの東側に7軒の寺が並ぶうちの北から5番目に鳳林寺の名がある。現在の牛込弁天公園は境内の一部である。しかし、大正3年(1914)には道路拡張のあおりを受けて、現在地に移転した。

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本堂手前の大きな堂宇の中にあるのは元文2年(1737)3月に建立された大きな舟型の地蔵で、「六十六部供養佛」とあり、俗称は「大石仏の地蔵」と呼ぶようだ。厄除け子育延命地蔵尊として親しまれている。台石には「払方町 水道町 新町 早稲田町 吉兵衛河岸講中不残」とあり、施主の名が300名余り書かれている。それぞれ今も新宿区は町名として残っており、かなり広い地域からの施しを受けて牛込で造られたものと思われる。

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延命地蔵堂の前にもいくつもの石仏があるが概ね墓石。その中でこの素朴な馬頭観音はちょっと異質である。元は青梅街道筋にあったものらしいが、天保9年(1838)3月の造立である。やはり街道筋には必ずと言っていいほど馬頭観音がある。

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延命地蔵堂の前には無縁仏も多数並んでいる。その中でこれは墓石ではなく庚申塔である。尊像は観世音菩薩立像だが、脇には「奉庚申供養 南無大慈悲観世音菩薩」と書かれている。造立年は寛文9年(1669)10月と古いもので、まだ青面金剛像が尊像として定着する前のものである。場所については彫られていないので、牛込時代のものかどうかは分からないが、まず間違いないだろう。

場所  杉並区高円寺南2丁目39-1

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