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2021年4月 1日 (木)

円乗院の石仏(世田谷区代田)

小田急線世田谷代田駅の南にある真言宗の円乗院は正式には代永山円乗院真勝寺という。創建は不詳ながら寛永年間初頭(1624頃)には代田村の菩提寺として開山していたという。この創建には室町時代から戦国時代の世田谷城主吉良家の旧家臣であった代田七人衆が関わった。この代田七人衆というのは吉良家の家臣から土着の農民として帰農して開墾し代田村を開いた武士たちの歴史である。

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本堂手前右にあるモニュメントのような大木はコウヤマキ(高野槙)で戦災で焼けてしまったが樹形を保存しているものである。円乗院の南には現在は暗渠になっている北沢川が流れており、流域の農地を見渡せる場所に建立された。

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山門手前の参道脇には沢山の石仏がある。右手には4基の石仏があり、手前から地蔵菩薩立像、板碑型の供養塔(文字読めず)、地蔵菩薩立像とあり、一番山門側に地蔵菩薩の半跏像がある。この半跏像は、享保6年(1721)10月の造立で、「三界万霊塔」の目的で念仏講中が建てたと記されている。

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山門に向かって左手には六地蔵がある。地蔵部分は妙に綺麗なので再建モノかとも思ったが、そうでもないようである。それぞれの地蔵の年代は違っていて、古いものは延享2年(1745)から新しいものは明治19年(1886)と140年の差がある。基壇に文字が彫り込まれているが、なかなか読みにくくなっている。「大原講中」「若林村」などの文字が見られ、南北に広い代田村の領域全体の菩提寺らしい。

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六地蔵の右手には、舟形の如意輪観音と地蔵菩薩が2基並んでいる。如意輪観音像については文字も摩滅しており不詳、中央の舟形光背型の地蔵菩薩立像は宝暦5年(1755)2月の造立で、「奉納地蔵菩薩」という文字が見える。右の上部が欠けた舟形光背型の地蔵菩薩は庚申講中によるもので、右側に「奉彫刻地蔵菩薩庚申供養為現当二世」とあり、造立年は正徳元年(1711)11月と書かれている。

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3体の舟型石像の後ろにひっそりと1基の庚申塔が立っている。比較的珍しい駒型の文字塔である。造立年は元禄13年(1700)3月。この時代にはすでに青面金剛が主尊となるタイプが多いのだが、この庚申塔は下部に線刻で三猿が描かれている。中央には「奉待上庚申」とあり、珍しいものである。庚申地蔵とこの庚申塔はもともと守山小学校の敷地内にあったものだという。守山小学校は京王井の頭線新代田駅の北側にあったが、平成28年(2016)に子供の人口減少に伴い廃校になった。

場所  世田谷区代田2丁目17-3

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