本覚寺の庚申塔(品川区南品川)
本覚寺は旧南馬場駅周辺の寺院の中では最も旧東海道に近いロケーション。その位置関係は江戸時代から変わらない。この辺りは南品川宿で、旧東海道の東側はすぐ江戸湊の海岸線、宿場町が街道の周りに立ち並び、その裏手からが寺社地になっている。もっとも江戸時代の切絵図には本覚寺の海側に貴船明神旅所屋敷という神社らしきものがある。これは御旅所ともいい、神社の祭礼で休憩または宿泊する場所で、ここから東海道へ旅立つにあたっての祈祷などを行っていたのだろう。
本覚寺の境内に入るなり、ずっと寺の犬に吠えられっぱなしだった。しかし寺の誰かが出てくるわけでもなく、ずっと吠えているのでいささか近所迷惑を感じて短時間で去るしかなかった。境内には1.3mもの高さの板碑型庚申塔がある。造立年は寛文8年(1668)10月と古いもの。青面金剛像、邪鬼、三猿が描かれており、下部には中央に本覚寺の銘と6人の願主が刻まれている。
庚申塔の斜め前には堂宇があり、珍しい地蔵の半跏像が祀られていた。前から確認しただけでは何の文字も見えない。石材の雰囲気からして庚申塔と変わらないくらいの古さではないかと思われた。すこし斜めに向いた顔の向きも珍しい。じっくり見たかったが、犬が吠え続けるのであきらめた。本覚寺は元亀3年(1572)に創建された天台宗の寺院である。
場所 品川区南品川1丁目10-11
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