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2021年4月 2日 (金)

森厳寺の石仏(世田谷区代沢)

森厳寺は以前、単独の寺院として紹介したことがある。下北沢にあるが境内は別の空間のような静けさである。森厳寺の西側には北沢川支流の森厳寺川が流れていたが現在は暗渠になっている。

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寺院に関する情報は森厳寺のページを参照いただけるとありがたい。山門の前にはいくつかの石柱があるが、そのなかでも向かって左脇にある道標はなかなかのものである。

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正面には淡島大明神とあるが、淡嶋神は日本の民間信仰の神のひとつである。和歌山県和歌山市の淡嶋神社が総本社だが数は少ない。東京では浅草寺にある淡島堂とこの森厳寺のみではないだろうか。この道標の造立は文化11年(1814)春で、「北 ほりのうち よつやみち」「東 あをやま」「南 ゆうてんじ めくろふとう」とある。江戸市中各地からの寄進で建てられた道標である。

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無縁仏は本堂横を抜けて墓所に入り、西側の角に集められている。凄い数なので、まるで満員電車のように石仏が並んでおり、全体を見ることは困難であった。その中で端にあったのが、この角柱型の三猿の庚申塔。もともとは笠付角柱型で昭和の頃は笠も基壇もあった。三面にそれぞれ猿が陽刻されており、造立年は寛文8年(1668)霜月(11月)と古いもの。下の方には願主名があるが土に埋もれて見えない。

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無縁仏の後ろの垣根の下に3基の笠付庚申塔が並べられている。とても文字を読める状態ではないので、世田谷区の資料を参照した。一番左にあるのは笠付角柱型の庚申塔で、日月、青面金剛像、三猿が陽刻されている。「為奉造立庚申供養二世安楽也 講衆」とあり、造立は延宝2年(1674)初冬とある。青面金剛としては極めて古いものである。左から二番目は笠付丸柱型の庚申塔。天和元年(1681)11月のもので、正面には日月、青面金剛像(線刻)、邪鬼があるようだ。三番目の笠付角柱型庚申塔は正面上部に三猿が陽刻されている。延宝8年(1680)4月の造立で、日月、三猿のみの図柄のようだ。

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庚申塔が含まれる無縁仏の手前には墓所向きにさらに多数の無縁仏が並んでいる。その中でも後ろに目立つのがこの舟型光背型の聖観音立像。造立年は延宝8年(1680)2月、「奉造立尊形」とあり、左には「為念仏講供養也」とあるので念仏講中による造立である。

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手前の無縁仏の中にゼニゴケが激しく付着した二つの石仏がある。右側は文化2年(1805)4月造立の舟型光背型地蔵菩薩立像で、「右 あわしま道  左 せたがや道」と道標を兼ねている。本村講中とあるのでこれも念仏講中によるものだろう。左は造立年不詳の舟型光背型の地蔵菩薩立像。これも「右 あわしま道 左 ゆふてんじ道」とあり、「本村」とあるので、隣の地蔵と近い時代のものであろう。

このほか森厳寺には資料に載っている石仏があるが、二度探し回ったが見つからなかった。

場所  世田谷区代沢3丁目27-1

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