宇佐神社の庚申塔(世田谷区尾山台)
伝乗寺の北にある宇佐神社は崖線の上にある。境内は小山になっており、八幡塚、神明塚と呼ばれ(正式には西岡14号墳)古墳時代の円墳である。この円墳が宇佐神社の本殿の裏にまるで小山のように見えている。八幡塚というのは宇佐神社が八幡宮であることから、また神明塚というのは後ろの小山の上には神明神社が祀られているからである。宇佐神社の創建は900年以上前だと伝えられているが、関東でも珍しい禰宜の舞が行われていたという。大分の本宮宇佐八幡宮の近くにも伝乗寺があり、それと共通点があるのかもしれない。
本殿の左手奥に小さな祠があり、その中に祀られているのが庚申塔である。駒型で、青面金剛像があるが、下部の凹凸はもしかしたら風化した三猿かもしれない。造立は寛延元年(1748)11月である。「庚申供養 小山村 十六人講」とあるが、尾山台の元が尾山であったが、その誤字の小山なのだろうか。
『ふるさと世田谷を語る 尾山台奥沢編』にはこの庚申塔が十字架を持っているという説を挙げているが、たしかに三叉鉾が十字架に見える。しかし昔はこういう鉾もあったので、真偽は分からない。但し、とても素直に両手を合わせた姿は敬虔なクリスチャンを想起するが、この手の形の庚申塔は時折見かける。もし隠れキリシタンの影響があったとしたらなかなか興味深いことである。
場所 世田谷区尾山台2丁目11-3
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