« 鎧神社の庚申狛犬(新宿区北新宿) | トップページ | 全龍寺門前の石仏(新宿区大久保) »

2021年4月20日 (火)

円照寺の石仏(新宿区北新宿)

鎧神社の別当寺である円照寺は天慶3年(940)に藤原秀衡が平将門討伐に来た際にここで病を治して寺を開いたという伝説。またこの境内は昔の有力者、地頭柏木右衛門佐頼秀の居館跡とも言われる。地頭柏木某については知らないが柏木村の由来だろうか。もっとも1100年も昔のことだから詳細は不明だが、地形的には神田川右岸のの河岸段丘に位置するので居城としてはあり得る。

Dscn2792

山門前の参道は趣があり、訪問時は一木に紅梅白梅が混ざる名木が迎えてくれた。山門をくぐると本堂があり、その左に無縁仏が集められている。大きな石仏はその周りに置かれていた。

Dscn2771

無縁仏塔の頂上にあるのは不動明王だが、手前センターにはこの舟型光背型の地蔵菩薩立像がある。元は墓石のようだがあまりにも見事な作品と言っていいほどのものでしばらく拝観した。「柏木村施主川本四良衛門  右志者為妙高禅定尼棟棟證大菩提也 敬白」とあり、左には明暦2年(1656)11月の年紀がある。右手の指が欠損しているがバランスの取れた像形である。

Dscn2777

無縁仏塔の中に破損して原形をわずかにしかとどめない庚申塔?がある。舟型光背型の合掌一猿で寛文5年(1665)の造立らしいが詳細は分からない。戦災でここまで壊れてしまったようだが、新宿区の石仏には戦災で無残に壊れたものが散見される。

Dscn2780

無縁仏塔脇にあるひときわ大きな角柱型の供養塔。上部には日月があり、月山、湯殿山、羽黒山、坂東、西國四國、秩父八十八ヶ所 巡拝とある。資料によると、文政9年(1812)6月に武州豊嶋郡柏木村の栗原大右衛門が建立したもの。

Dscn2775

そのすぐ近くには二十三夜塔が樹の根元に寄り添っている。とくに何も書かれていないので造立年も施主も不明である。月待講は江戸時代の後半に盛んになった民俗風習で、信仰というよりも寄合的なものだった。宵に集まり月の出を待ち、月が出ると三々五々解散していくという飲み会である。元々はもっとまじめな修行要素のある信仰だったが江戸時代の日本人はおおらかに変化させていったのである。但し塔を作るというのは大きな願を掛けたり成就したりしたことを表していると思われる。

場所  新宿区北新宿3丁目23-2

|

« 鎧神社の庚申狛犬(新宿区北新宿) | トップページ | 全龍寺門前の石仏(新宿区大久保) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 鎧神社の庚申狛犬(新宿区北新宿) | トップページ | 全龍寺門前の石仏(新宿区大久保) »