駐車場擁壁の庚申塔(板橋区徳丸)
板橋区徳丸は坂だらけの街。名のある坂道の何十倍も無名の坂道が至る所にある。武蔵野台地を前谷津川とその支流が深く削り取った地形のためにどうしても坂道が多くなってしまうのだが、特に徳丸はその傾斜が急である。表と裏で10m程しか離れていないのに、高低差が5mくらいは普通にあったりするから、坂道どころか階段も極めて多い。
そんな一角に5mほどのコンクリート擁壁があり、その途中に頑丈なコンクリート製のテーブルが作られてそこに舟型の庚申塔が載せられている。このようなロケーションの庚申塔は極めて稀である。他人の土地とは認識しつつ、駐車場に立ち入って撮影させていただいた。
舟型の庚申塔には、日月、青面金剛像、そして下部に二鶏が描かれている。なぜか三猿はない。右側には「奉造立庚申像二世安楽処 願主 石井道宥」とある。造立年は元禄13年(1700)5月である。この庚申塔、資料によるともともとは北野神社参道の登り口にあったものらしい。現在の場所はおそらく、天神坂を登りきったあたりだろう。
場所 板橋区徳丸5丁目12-4
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