旧薬師堂跡の墓所(板橋区四葉)
宮前坂の坂上近くに小さな墓所がある。明治40年(1907)までここには薬師堂があったが、老朽化で少し北にある四葉観音堂に合祀されたという。しかし通りがかりに気にかかる墓所だったのでお邪魔して石仏を拝見させていただいた。
道路寄りに堂宇があり、内外に石仏が数体祀られている。もともとこの堂宇は少し高くなっていて釈迦塚と呼ばれていたらしい。その理由は堂宇の中にある石仏で、万治4年(1661)2月造立の釈迦如来像である。なかなか珍しい石仏で、釈迦如来のこういう古い石仏は滅多に見掛けない。
釈迦像の脇には折れてしまった板碑が数枚立てかけられている。そっちも極めて貴重なものだが、何気なく置かれているのが恐れ入る。また堂宇の脇に並ぶ石仏は墓石ではあるが、享保12年(1727)11月の聖観音像、寛文4年(1664)12月造立の如意輪観音像、板碑型供養塔が元文2年(1737)10月のものと正保10年(1645)11月のものなど、かなり古いものがさりげなく並んでいる。
場所 板橋区四葉1丁目27-30
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