冠城家の馬頭観音(板橋区徳丸)
徳丸台地の東端、前谷津川のカーブに沿っている離岡(はなりょうおか)という舌状地の先にある冠城(かぶらぎ)家の家の前に屋敷稲荷があり、その傍に馬頭観音が立っている。徳丸の旧家の多くには屋敷神が祀られているので、この辺りでは普通のことである。
この場所の標高は25mほどだが、南に進んでも東に進んでも下り坂で、坂下の前谷津川緑道の標高は6m。どちらの方向も下り坂になっているのはこの南東で前谷津川の流れが曲がっているからである。石塔は角柱型の馬頭観音で、正面には「馬頭観世音菩薩」と大きく書かれている。
馬頭観音は昭和17年(1942)5月建之。台石に10人の願主名がある。冠城松太郎、冠城保徳、など冠城家が4人だが、それ以外の名もある。昭和17年というと第二次世界大戦がはじまってミッドウェー海戦で敗北した頃である。当時はまだ民間にモータリゼーションが広がっておらず、牛馬が物流を担っていたことがわかる馬頭観音である。
場所 板橋区徳丸6丁目25-6
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