中村橋商店街の庚申塔(練馬区貫井)
中村橋駅から2本目の辻、都道427号線中杉通りでもある商店街の角に庚申塔がある。商店街は古くからの街道筋や主要村道筋に発達することが多いので、各地の商店街に庚申塔や地蔵があるのは決して珍しい事ではない。赤いトタン屋根の堂宇には駒型の庚申塔と燈籠が祀られている。
庚申塔の造立年は宝暦2年(1752)11月。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、石の材質もかなり良いものである。脇には「上練馬村貫井 施主講中」と書かれており、施主名などは見当たらない。庚申塔の高さは120㎝程で比較的大きい方である。
庚申塔の右手前には太刀持ちの如く燈籠が立っている。支柱の正面には「奉納 青面金剛像」とあり、年紀が傍らに記されている。造立年は文化10年(1813)9月。右面には「當村 世話人 関口門右衛門 同義助 同弥兵右衛門 長谷川市五郎 同勝太郎(同は前の姓の繰り返し)」と書かれている。反対には「高松村 願主 高山佐内治」とあるので、北に隣接していた村衆も関わっていたようだ。
貫井村と高松村は石神井川を挟んで、左岸北側が高松村、右岸南側が貫井村だった。石神井川沿いには田んぼが広がり、村人はそこで米を耕して台地の上に住んだ。当然ながら川を挟んで高松の村人と貫井の村人は交流を重ねていたに違いない。
場所 練馬区貫井1丁目6-8
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