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2021年8月31日 (火)

自性院の石仏(江戸川区東葛西)

葛西橋通りの江戸川にかかる浦安橋から600m程西の裏道沿いにある真言宗自性院は寺名を神宮寺というが、創建年代は不詳。良範法師(文亀元年(1501)没)による中興ということなので戦国時代の中興ということになり、創建はさらに遡る。北にある長島の富士塚がある茂呂香取神社の別当寺だった旧長嶋村の古刹である。

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山門前には2基の庚申塔が立っている。右側にあるのが舟型光背型の聖観音菩薩像で主尊の右側に「奉待庚申結衆三四教所願成就二世安楽所」と記されている。「三四」は三尸の意味だろうか。左側には寛文8年(1668)霜月(11月)の年紀と長嶋村の銘があり、左右の下の方には願主名が刻まれている。

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左側には駒型の庚申塔がある。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、尊像右には「奉造立青面金剛尊躯二世安楽所」とある。造立年は元禄10年(1697)初冬、そして結集十六人敬白と記されている。

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山門から本堂への参道の途中に堂宇があり、地蔵菩薩立像が安置されている。しかし年紀等はどこにも記されていなかった。ただ蓮台と本体の石材が異なっており、地蔵菩薩本体は後年の再建のように思われる。

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本堂手前には別の堂宇があり、地蔵の菩薩の半跏像と角柱型の地蔵菩薩が祀られている。左の地蔵菩薩は左足を立てた半跏像で、基壇には「奉造立地蔵尊三界万霊」と書かれている。造立年は安永7年1778)11月、下部に「長嶋村 西講中」と書かれている。昔の地名を調べてみたが、自性院と香取神社の間には川があり、それより北が桑川(新田)、南が長嶋村だったようだ。この辺りには自性院以外にも曹洞宗の梵音寺や真言宗の東善寺など昔から寺院が集まっており、周辺には民家が多数あった賑やかな村だったようだ。

場所  江戸川区東葛西2丁目30-20

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