大泉寺の庚申塔(台東区谷中)
大泉寺はこの路地では北から四番目の寺院になるだろうか。この谷中6丁目2番のブロックにある寺院は、多宝院、西光寺、長久院、大泉寺、自性院とどれも神田北寺町からの移設。天台宗寺院の大泉寺は、慶長16年(1611)神田北寺町に創建したが、慶安元年(1648)に寺地収公により現在地に移転している。多宝院、西光寺、大泉寺、自性院がそろって慶安元年に移転しているが、長久院だけは慶安11年の移転で10年遅い。同じ御用地召上げなのに10年の差があるのは不思議だが、調べても解らなかった。
大泉寺の山門をくぐると右手に複数の石仏が並んでいる。背の高い三界万霊塔の地蔵菩薩や、その脇の大乗妙典六十六部日本廻国供養塔などもなかなか魅力的だが、その近くにある庚申塔がなかなかいい。
笠付角柱型の庚申塔で、笠は大きめ。下部に三猿と二鶏が陽刻されている。上部の文字は「奉造立 庚申供養 二世安楽」とあり、造立年は寛文11年(1671)11月とかなり古いもの。実はこの庚申塔は『台東区の庚申塔(台東区教育委員会)』には載っていない。2008年頃の調査のようだが漏れてしまったのだろうか。
場所 台東区谷中6丁目2-13
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