下練馬道の庚申堂(練馬区早宮)
現在の通り名は早宮中央通り、平和台から南へ、早宮を抜けてかつて館城であった豊島園の前を通り、清戸道、千川上水を越えて、鷺宮へ続くこの古道は鎌倉街道でもあった下練馬道という街道。旧字宮ケ谷戸の辺りに昔からあるのが庚申堂。傍に立つ樹木、訪問時は葉が殆どなかったので特定できなかったが、幹の樹皮と樹形から推定するにイチイ(アララギ)ではないかと思う。イチイは高木ではないのでかなりの老木と見える。
堂宇の中に祀られているのは駒型の庚申塔。造立年は享保20年(1735)2月。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿、二鶏が描かれている。下部の菱形三猿も時代に合っている。尊像の右には「奉造立庚申供養為二世安樂」、左側には年紀が彫られ、下部には「武列豊嶋郡下練馬村 宮ケ谷戸 講中 拾四人」と記されている。
下練馬道は中世には鎌倉街道だったが、数百年経過して鎌倉街道の道筋は判らないところも多い。南から北へ辿ると鷺宮から練馬城(豊島園)に至り、そこで二つに分かれて右は板橋へ、左はこの下練馬村を通り松月院と大堂の間を経て赤塚城へ繋がっていた。下赤塚駅の北、ドラッグストアの脇には鎌倉古道の碑がある。
場所 練馬区早宮4丁目19-2
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