明和五子天庚申(江戸川区東葛西)
東葛西の旧長嶋村と旧桑川村の境を流れる長島川跡沿いに東へ進むとやがて旧江戸川の堤防にぶつかる。その少し手前の丁字路の角に1基の庚申塔がある。明治時代の地図を見ると、ここには長島川を渡る橋が架かっていた。その時代からここに在ったかどうかは分からないが、おそらく橋のたもとに立っていたのではないかと思う。
駒型の庚申塔は見事な彫りで迫力がある。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が美しい。尊像は左手にショケラをぶら下げている。右側面には「明和五子天」とあり、文字通り明和5年(1768)で左側面には10月と大きく書かれている。この庚申塔があるお宅は森田邸。台石にはびっしりと願主名が書かれているが苗字はない。
この先東に進むと堤防があり、旧江戸川になるがなぜか川幅が狭く、屋形船が多数係留されている。この川の対岸は千葉県浦安市ではなく、江戸川区妙見島なのである。妙見島は江戸川の中州で、川の変化によって微妙に場所が動いてきたと言われる。実は東京23区にある人口の島は多いが、自然の島はここだけ。昭和50年代にコンクリート護岸で固められたが、それでもわずかにまだ動いているようだ。
場所 江戸川区東葛西3丁目4-13
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