金蔵寺の石仏(江戸川区江戸川)
江戸川区江戸川にある金蔵寺は浄土宗の寺院で、応永年間(1394~1428)に魁誉覚順和尚という僧が草庵を結んだのが始まりとされる。和尚は応永22年(1415)に没しているので、室町幕府の足利義満の時代あたりになる。しばらく草庵から小寺であったが、慶安5年(1652)に本堂が建立されて大きな寺になったという。
寺の境内は広々としている。本堂の南東側に広い植込みがあり、その中にいくつもの石仏が祀られている。概ね墓石が多いようだが、ここでめだったのは摩滅が進んでとろけたようになっている舟形光背型の地蔵菩薩像が複数あることである。
可能性としては、海に沈んでいたか塩を懸けられていたかだが、江戸川が近いので水中から引き揚げられた可能性が高いのではないだろうか。どれも文字は読めず、年紀などは不明だが、共通しているのは地蔵の光背の頭光がある点である。たまたまかもしれないが3基は何らかの関係があってもおかしくない。
近くには板碑型の供養塔がある。左の供養塔は「南無阿弥陀仏」の六文字、造立年は慶長18年(1613)8月、右の供養塔も「南無阿弥陀仏」の六字名号で、造立は正保3年(1646)4月とある。江戸時代初期のものだが、寺の歴史からすれば十分新しい時代のものである。
場所 江戸川区江戸川3丁目23-4
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