下今井稲荷神社の庚申塔(江戸川区江戸川)
江戸川区江戸川の新川河口の北にあるのが下今井稲荷神社。宝永4年(1707)に下今井香取神社の摂社として創建された。江戸時代から明治の初め頃までは観音寺の持ちだったというが現在周辺に観音寺はない。鳥居の向きが道路側ではなく隣接する民家向きになっている。この向きは江戸時代から変わっていないようだ。社殿脇に水神社が祀られていることから旧江戸川から舟で参拝したのかと思ったが、真相は不明。
鳥居は天保3年(1832)の再建と書かれている。社殿はここから少し北にある熊野神社の神殿を移築したものらしい。熊野神社の辺りは江戸川が流れを曲げているところで、昔は流れによって深場になっていてきれいな水だったため、将軍家の茶の湯の水としても使われたという。今の江戸川からは想像もつかない。鳥居手前の水鉢は天保6年(1835)5月の奉納。
その脇にあるのが角柱型の庚申塔で「猿田彦大神」と書かれている。台石には「講中」とあり、側面には文政11年(1828)霜月(11月)再建とあるので、もっと昔からここに猿田彦大神もしくは庚申塔があったのだろう。ちなみにこの辺りの江戸時代の地名は下今井村。南の新川から北の古川(現在は暗渠)までが村域であった。
場所 江戸川区江戸川5丁目28-2
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