不動院の庚申塔(江戸川区江戸川)
江戸川区江戸川というのが現在の住居表示だが非常に分かりにくい。放水路である新中川が合流するのが今井水門でそのすぐ東の合流前の旧江戸川を渡るのが新大橋通りの今井橋。ここから先は千葉県である。しかしこれより上流にはずっと橋がなく、本流の江戸川まで行かないとない。今井橋や今井水門の今井というのはこの旧江戸川右岸の古くからの地名で、下流に下今井、上流が上今井といった。さらに上流に行くと槙島、そして前野という小字になる。
現在は江戸川一丁目だが昔の地名でいう前野の河岸にある寺院が川向山不動院大滝寺。元亀元年(1570)の創建と伝えられる。河岸の道路から境内に入るとすぐに大きな笠付角柱型の庚申塔がある。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が描かれている。造立年は元文2年(1737)8月で、「前野邑講中」の文字がある。右側面には「奉造立庚申像、大龍山不動院」と書かれているので、造立の時からここに在るようだ。
そのすぐ近くにはいくつもの舟型光背型の石像が並べられている。上の写真はその一部だが、左右はおそらく聖観音立像だろう。中央はかなりとろけているが錫杖っぽいかたちが地蔵菩薩立像であると思われる。このとろけかたはよほどの雨ざらしか、水中から引き揚げられた可能性がありそうだ。文字が全く読めないので、造立年等は全く分からない。
場所 江戸川区江戸川1丁目28-33
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