床屋前の庚申塔(練馬区春日町)
少し西(170mほど)にある歩道上の庚申塔の近くに斜めに田柄通りに接続する路地が現在の田柄と春日町の町境である。しかし江戸時代から戦前にかけてはこの辺り一帯は広く東田柄で道沿いにぽつぽつと民家があった。現在は床屋のある交差点の角に笠付角柱型の庚申塔が立っている。
庚申塔の笠が妙に小さく貧相なのが愛嬌。日月、青面金剛像が陽刻されており、主尊の下部には「中田柄村 施主 吉田安右エ門 施主 拾人」とある。三猿は台石に彫り込まれている。左側面には「奉造立庚申像一基 二世安樂祈攸」とあり、元禄9年(1696)12月の造立年が刻まれている。
側面には蓮が描かれているが全体的にかなり傷んでいる。実はこの庚申塔の建つ路地は現在の春日町と北町の町境。期せずして、昔は小字の内だったが現代は町の境になっている場所に庚申塔が立っている。この辺り一帯の耕地整理は昭和初期に行われ、戦後になって高度経済成長期に人口が爆発的に増えた地域である。
場所 練馬区春日町2丁目18-21
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