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2021年11月19日 (金)

光ヶ丘美術館の石仏(練馬区田柄)

光が丘美術館は都営大江戸線光が丘駅から400mほど東にある。隣りには北の八幡神社がある。館内には入っていない。入館料も500円と安いが、どうも美術品には造詣がない。有名彫刻や絵画よりも土偶や壁画の方に魅力を感じるが、それは個人的なものである。この美術館はナマコ壁が印象的な建物で、そば屋を含めた広い敷地の一角に建てられたもののようだ。

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美術館の敷地の道路側の一画にいくつかの石仏が集められている。美術館が独自に集めてきたものだろうか。庚申塔が1基、馬頭観音が4基ある。この辺りはかつては上田柄という集落で、田柄の中では中心的な場所だったようだ。北の八幡神社は上田柄の氏神として平安時代からあったらしい。

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手前にある巨大な山状角柱型の石仏は馬頭観音。正面には「馬頭観世音菩薩」と大きく書かれている。右側面には文化元年(1804)10月の造立年が刻まれ、その下には「ふきあげ道」とある。高さは2m近くある。

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塀沿いにある左の二基のうち小さい方、角柱型でかなり摩滅して苔が付いているが「馬頭観世音 位」とある。側面には安政4年(1857)12月の年紀と相原玉左ヱ門の願主名。右の大きい方の櫛型角柱型の石仏も馬頭観音で、正面には「馬頭観世音菩薩像 観音講中」とあり、側面には文化5年(1808)の造立年と、「武刕豊嶋郡上練馬邑上田橋」の銘がある。どちらも文字の彫りが薄く、摩滅も進んでいるのでかろうじて読める程度である。

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右の二基は左側が馬頭観音、右奥が庚申塔である。馬頭観音は駒型で一見庚申塔かと思ったが頭上に馬頭がある。造立年は宝暦5年(1755)霜月(11月)とあり、右上には「武刕豊嶋郡上田柄▢▢」とある。右奥の庚申塔は元は氷川台2丁目6にあったもので、造立年は享保9年(1724)6月。日月、青面金剛、邪鬼、三猿の図柄で左手にはショケラがある。「奉造立庚申供養為二世安樂也」とあり、「武刕豊嶋郡上練馬村上田柄邑講中二十人、願主 相原▢衛門」と刻まれている。その場所は工兵坂の坂下にあったかつての字今神あたりと思われる。

場所  練馬区田柄5丁目27-25

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