中ノ宮の廻国供養塔(練馬区春日町)
都営大江戸線春日町駅周辺は現在は春日町だが、この地域の古い地名は中ノ宮という。東中ノ宮、中ノ宮、西中ノ宮という地域があった。現在も春日町と光が丘の中間に練馬区立中ノ宮竹林公園があるが、その辺りが中ノ宮の西の端だったようだ。江戸時代中ノ宮には名主の家や高札場、郷蔵などがあり、村の中心だった。
村の中心だった春日町駅付近から東へ住宅地の中の路地を進む。300m余り進んだ路地の丁字路に駐車場と車庫の間のくぼみがあり、そこに角柱型の石塔が立っている。六十六部廻国供養塔である。正面には「奉納大乗妙典六十六部日本回国供養塔」とある。
造立年は文化6年(1809)10月、「武州豊嶋郡練馬村海老ヶ谷戸 行者 篠田淺右衛門」と記されている。海老ヶ谷戸は上練馬村の字名で、上練馬村には中ノ宮、海老ヶ谷戸、尾崎などの地域があった。現在の春日町1丁目の東から南にかけてが当時の海老ヶ谷戸である。海老ヶ谷戸の南側は石神井川の低地で米作が盛んだった。
場所 練馬区春日町1丁目26-8
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