山谷神明社の庚申塔(荒川区西尾久)
田端駅から小台橋に繋がる都道458号線の商店街途中に小さな神社がある。山谷の神明社(天祖神社)と呼ばれるこの神社はかつての上尾久村字山谷の人々に永年親しまれてきた小神社である。
伝承では、明暦年代(1655~1658)に台風が襲い、その際に金物らしきものが当地に流れ着いた。ところがそれを粗末に扱った人が怪我をしたりしたのでこの地に神明社を建てたという。騒ぐと祟りがあるというので、祭りの際にも神楽やお囃子、御輿の類はでないらしい。この神明社の氏子は神明講と呼ばれて続いているそうである。
小さな境内には2基の石仏が祀られている。右は庚申塔で三猿が残されているのでそうと分る。戦災で破壊されてしまったのを修復したが年紀などは不詳、細部からして江戸時代初期のもののようだ。左の石仏はこれも戦災で破壊されたものを修復した地蔵菩薩立像で、「奉納日本廻国…」とあるので廻国供養塔である。左側の文字の残りから宝永7年(1710)5月の造立のようである。
場所 荒川区西尾久1丁目21-16
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