染井墓地十二地蔵碑(豊島区駒込)
駒込から染井通りを進み墓地に入るところの分岐の頂部に大きな舟型光背型の十二地蔵碑がある。とても大きなものなので、霊園に向かう人ならば必ずといっていいほどその存在に気づくだろう。
高さは1.7mほどはあるだろう。三吉朋十氏の『武蔵野の地蔵尊』にも載っており、「江戸中期のころのものと推定されるが、文字がないので造立の由来を知ることができない」と書かれている。大きな石仏の全面の上部に六地蔵、下部にも六地蔵が並んでいる。
上段の地蔵の上に描かれているのは桜の花びらのようである。染井の桜は江戸時代から名所であったので、ここ一面に桜の花を描いたのだろう。下段の地蔵の背景にも桜が描かれている。六地蔵碑は時折みかけるが、十二地蔵碑はまず見かけない。三吉氏の著書には「一石に十二の地蔵尊を掘りつけた例は埼玉県幸手町のうち神明内(しめち)というところの路傍に一面三体、四面十二地蔵尊を浮彫した一碑がある」とある。
場所 豊島区駒込7丁目3-2
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