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2021年12月12日 (日)

一本松の庚申塔(荒川区町屋)

荒川区町屋と足立区千住の間の隅田川の蛇行は江戸時代からほぼ変わっていない。この逆S字型の川の流れの両岸は見渡す限りの田んぼだった。賑わう現在の町屋駅周辺も隅田川沿いもすべてが田圃である、そんな中でこの町屋の一本松のある場所の意味を考える必要がある。

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都道尾竹橋通りから旧道らしい曲がりの分岐道に入ると広場と公衆トイレがあり、その一角に笹に囲まれて一本松の植えられたグリーンスポットなる植込みがある。昔から町屋の一本松と呼ばれた4坪ほどの丸い小丘を成す庚申塚がここにあった。ここに一本松と庚申塚があるのは、この場所が江戸時代は三河島村との村境であったためである。残念ながら先代の松は空襲で焼けて枯死したという。現在の松が何代目なのかは分からない。

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松の根元に一基の板碑型庚申塔が立っている。造立年は寛文8年(1668)9月とかなり古いもの。正面には「奉造立庚申供養一基二世安楽所」とあり、願主7人の銘がある。これより南西が町屋村原、北東から東が三河島村荒木田でその塞ノ神だったのだろう。この小さな植込みは一本松グリーンスポットという名称で平成6年に整備されたとある。

場所  荒川区町屋1丁目9-14

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コメント

こんにちは。
一本松グリーンスポットですが、手洗石(年記不明)に猿田彦大神と彫られているので、こちらも庚申塔の仲間として考えていいのかなと思いました。

投稿: 伊 謄 | 2024年1月31日 (水) 18時12分

伊 謄さん

情報ありがとうございます。手洗い石には気づきませんでした。次回再訪してみます。

投稿: ぼのぼのぶろぐ管理人 | 2024年2月16日 (金) 20時36分

一本松グリーンスポットの番地は、町屋1-9-14になるでしょうか。
他サイト(八百万の神、猫の足あと)の情報によれば、町屋1-9-16にはかつて松栄寺という寺があったといいます。
寺が現存していないのは実地確認済みですが、寺名がいかにもこちらの一本松に因んでいそうで、庚申塔の設置にも関連があったのかもしれません。

投稿: 神崎 悟 | 2024年12月 6日 (金) 11時04分

神崎 悟さん

いつもありがとうございます。住居表示を訂正させていただきました。

投稿: ぼのぼのぶろぐ管理人 | 2024年12月 6日 (金) 11時10分

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