路傍の順礼供養塔(足立区扇)
扇三嶋神社から西へ30mほど進んだ路地の角に石塔が祀られている。大きな角柱型の順礼供養塔と小さな簡易的な五輪塔が仮の堂宇のような屋根付きの場所にある。
右の五輪塔風の石塔についてはまったくわからない。左の角柱型の石塔には、「月山 湯殿山 羽黒山 秩父 西國 坂東 為現當▢▢也」とあるので巡礼供養塔に間違いない。正面の左下には「右リ 六あみだ道」とある。その側面には「渕江領本木村太田 田中文衛門」と刻まれている。ちなみにこの塀の向こうのお屋敷はとても広い屋敷で400坪ほどあるが、表札に「田中」とあったので、この田中文衛門さんの御子孫だと思われる。
右側面には「新四国八十八ヶ所 左リゑ▢▢」とあり、文政7年(1824)2月の紀年が刻まれていた。おそらくは田中氏が村を代表して建立したものだろう。足立区の六阿弥陀伝説は、北区の舟型神社の十二天塚の項で詳しく記載した。実際には8寺を廻る六阿弥陀巡りである。
場所 足立区扇2丁目8-19
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