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2022年1月22日 (土)

吉祥院の石仏(足立区本木西町)

吉祥院は真言宗の寺院で淵江山吉祥院星谷寺という。前述の星谷地蔵堂の星谷はこの寺名から来ている。開山は室町時代と言われるが詳細は不明。江戸時代には勢力の大きな寺院で33の末寺を従えていた。山門は移設されたものだが、享保2年(1742)の建立で仁王像を備えた素晴らしいものである。

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山門手前に並んでいるのは左から、弘法大師碑で「弘法大師道吉祥院」と刻まれている。その横にある大きな笠付角柱型の庚申塔は、主尊を地蔵菩薩とし、唐破風の上の宝珠もきれいに残っている。造立年は延宝4年(1676)8月で、地蔵菩薩の下には三猿が描かれている。右側面には「庚申講之男女之敬白 皈命順礼秘密」とあり、左には「願以此功徳普及一切皆共成仏道我等与衆生」と刻まれている。

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その右にある舟型光背型の地蔵菩薩像は錫杖が中落ちしているが、とても古いもので造立は万治元年(1658)9月14日の年紀がある。地蔵の両脇には多数の願主名が刻まれているが、どれも苗字はない。小さい石柱は八十八ヶ所の八十番とあるので、荒綾八十八ヶ所の碑だろう。

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山門はくぐることはできないので、駐車場側から回り込んで本堂前へ進む。山門の真裏、本堂手前に4基の庚申塔が並んでいる。一番右にあるのは阿弥陀如来像の舟型光背型庚申塔。右脇に「奉供養庚申待二世安樂所」とあり、造立年は元禄2年(1689)8月と刻まれている。

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右から二番目は板碑型の庚申塔で、中央に大きく三猿が陽刻されている。これも古いもので、造立年は寛文5年(1665)10月。中央の三猿の下に「奉造立庚申供養処」とある。その脇には願主名が刻まれている。中左の駒型庚申塔はかなり摩滅が進んでいて紀年等は分からないが、像容を見つめると、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が描かれていたことが推測できる。左端の駒型庚申塔は文字で「庚申供養仏」とある。下部には願主名がずらりと並んでいる。三猿は基壇にうっすらと残っている。造立年は表と裏にあり、表には元禄8年(1695)9月、裏には享保20年(1735)11月とあり、どちらが正しいのか分からないが、おそらく前面だろう。裏の中央には「石橋二ヶ所供養」とあるので、追加したのではないだろうか。

場所  足立区本木西町17-5

本堂の左手奥に並ぶ石仏の中に三猿が陽刻されている丸柱がある。見た感じでは石燈籠の竿部のようである。しかし三猿が彫られているということは庚申講中によるものである可能性が高い。

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造立年は天和2年(1682)仲秋と刻まれている。反対側には「信誉浄仰信士、花誉受栄信女」という戒名があるので、夫婦を弔うものだろうか。

2022/6/10 追記

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