駐車場の庚申塔(足立区鹿浜)
舎人ライナーの谷在家駅から西へ400mほどの路地裏の未舗装の駐車場の一角にかなり傷んだトタン屋根の堂宇がある。その中に祀られているのは2基の庚申塔。こういう素朴な存在の仕方は郊外独特である。
左の大きい方の駒型庚申塔は日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、宝暦12年(1762)11月の紀年が入っている。また、「庚申講中 拾四人」の文字や、「鹿浜村押部」の地名が刻まれている。押部というのはかつて鹿浜7丁目辺りにあった集落で、現在の鹿浜四丁目交差点の北東にある阿弥陀院、押部八幡神社から北西のエリア。八幡神社の名前にその地名が残っている。
右の小さい方の駒型庚申塔も日月、青面金剛像、邪鬼、三猿が陽刻されている。ただ造立年は分からない。「これより六あミだ道」の文字が刻まれている。押部は江戸時代後期には鹿浜村字押部と鹿浜村の一部に含まれていたが、この庚申塔も江戸時代後期のものだろうか。
場所 足立区鹿浜8丁目17-10
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