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2022年1月 2日 (日)

小台の七庚申(足立区小台)

足立区小台は北に荒川が流れ、南には隅田川で川に挟まれた宮城、小台で形成される島のようなエリア。上流には同じような地形で新田がある。もともと大正時代以前は現在の隅田川の流程が荒川そのもので、小台は扇や江北と陸続きだった。大正時代になって東京を守るために荒川放水路が掘削され小台と宮城は足立区から地理的に外れてしまったが、もともと足立区の陸の一部だったのである。

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ここには極めて見事な庚申塔が7基祀られているが、もともとここに在ったものではない。大正時代の荒川放水路の掘削工事で水没することになってしまった旧小台本村、江北村あたりの庚申塔を沈めることを惜しんだ小台村の下川亀蔵氏が自宅の移転と共に周辺の庚申塔を集めてここに祀ったものである。

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右端は駒型で日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿が陽刻されており、造立年は享保5年(1720)9月。「奉造立青面金剛講中」「為庚申供養」「武州下足立郡渕江領宮城村」の銘がある。二番目も駒型で、日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄。正徳4年(1714)9月の造立で、「奉造立青面金剛像庚申供養」の銘と施主9名の名前がある。

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三番目も駒型、同様に日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿が陽刻され、元禄15年(1702)8月の造立。「奉造立青面金剛像庚申供養」の銘と施主10名の名前が刻まれている。四番目は全体の中央だが、これもまた駒型で日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄。造立年は元禄5年(1692)9月で、「奉造立青面金剛尊容庚申供養」の銘と9人の願主名。その隣の五番目は小さめの駒型で、これも日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄。造立年は正徳3年(1713)9月で、これも下部に願主名が刻まれている。

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左から二番目も駒型で日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿が描かれており、下部に宮城村の銘、横に「奉造立庚申供養 講中敬白」とある。造立年は元文元年(1736)9月で7基の中では最も後に造られたもの。一番左はこれだけが板碑型の庚申塔で、下部には二猿が描かれている。中央には「奉造建正面金剛本尊一宇二世安樂所」とあり、脇には「逆修成就所 庚申供養一基」とある。造立は承応3年(1654)霜月(11月)とあり、この中では断トツに古いもの。

つくづく荒川の川床に埋まらずによかったと思う。

場所  足立区小台2丁目47-1

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