円徳寺の庚申塔(墨田区墨田)
円徳寺は東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅の北西にある曹洞宗の寺院。慶長18年(1613)の開山。江戸時代は墨田村だった地域である。江戸時代の切絵図にもたくさんの池が描かれているが、大正時代の地図を見ても沢山の池がある。それが昭和に入るとほとんどなくなっている。荒川が開削される以前は隅田川が大きく湾曲していた地域なので、度重なる氾濫によって池が多数出来たのだろうか。
円徳寺の境内に入ると、まず参道脇に宝篋印塔がある。基壇に安政4年(1857)仲夏に再興とある。塔身部分の裏側を見ると文化8年(1811)2月の紀年がある。文化8年は第8世住職が願主で、安政4年は第14世。50年足らずの間に6代も変わったのかとつまらぬ関心を持った。
円徳寺の主役ともいえるのがこの阿弥陀如来像の庚申塔である。舟型光背型で台石に三猿が陽刻されている。造立年は寛文12年(1672)11月と古く、尊像脇には「奉造立庚申待供養現當二世安樂所 敬白」と刻まれているほか、その下には27人の願主名が書かれていた。とても素晴らしい庚申阿弥陀蔵である。
場所 墨田区墨田5丁目42-17
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