寿福寺の石仏(練馬区春日町)
春日町の由来春日神社に隣接するのが真言宗の寺院寿福寺。開山は江戸時代初期だが詳細は不明。本堂は明治26年(1893)に焼失したが、明治43年(1910)に再建されている。本堂前の境内は2022年年初現在改築工事を進めており、工事現場にことわってから境内に入る。
本堂の左手から回り込むと末社などがあるところにいくつかの石仏がある。舟型庚申塔と敷石供養塔があるが、右の敷石供養塔は角柱型で大正5年(1916)の建之とある。
左の舟型光背型の庚申塔が年代物で、造立年は延宝3年(1675)10月。この年代でこの図柄は珍しい。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が描かれており、「奉造立庚申供養石像為二世安楽也」「武列豊嶋郡上練馬江海老ヶ谷戸村 結衆十三人」と刻まれている。いくつかの区で調べてみると1670年代の寛文後期~延宝年間に流行し始めたようだ。
墓地にももう一基の庚申塔がある。ゼニゴケで真っ白だったが、舟型光背型で日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄に主尊の左手にはショケラがある。造立年は宝永4年(1707)11月。「奉造立庚申石像に誠意祈攸」とあり、「牛込築地 結衆十六人 石屋茂兵衛作」とあるので、ここ海老ヶ谷戸村のものではなさそうである。左の舟型光背型の地蔵半跏像は基壇に偈文(げもん)が刻まれているが年代等については分からない。
場所 練馬区春日町3丁目2-22
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