妙雲寺の庚申塔(大田区池上)
池上本門寺下の寺域の東の端にあるのが日蓮宗玄性山妙雲寺。元和年間(1615~1623)に長勝寺と同じく日正上人が創建した。妙雲寺の東側で台地に上っていく坂道がめぐみ坂だが、その坂上にある堤方神社の別当寺である。ちなみに現在の池上一丁目辺りは以前は堤方町という町名だった。
妙雲寺の本堂はもっと西側にあるが、東側の駐車場入口脇に庚申堂がある。傍にある説明板にはここにかつて曙楼門柱跡があったとある。ここには明治初期に創業された料亭曙楼がありレンガ造りの門柱があったが老朽化で撤廃した。江戸時代後期から明治時代にかけては全国の寺院が廃仏毀釈で境内地を失ったり廃寺になったりした時代である。
なかなかの彫刻を持つ堂宇の中には舟型光背型の庚申塔が一基祀られている。最上部には「妙法」と書かれ、その下に青面金剛像、三猿、二鶏が描かれている。造立年は延宝8年(1680)1月である。この庚申塔は、水を掛けて祈願すると足腰が丈夫になると信じられていたようだが、現在はその行為は行われていないようだ。江戸時代前期だが青面金剛像としては初期型で、シンプルな水玉形をしている。
場所 大田区池上1丁目19-40
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