氷川神社の庚申弁天(足立区千住仲町)
北千住駅から南へ700mほどのところに仲町氷川神社がある。社伝によれば元和2年(1616)の創建とされる。日光街道の千住宿の宿場町の鎮守のひとつで、この辺りは千住掃部宿(せんじゅかもんじゅく)と呼ばれたところ。日光街道の整備は寛永元年(1624)に始まり千住宿もその直後の開発なのでその前に鎮座したことになる。また交通量増加により千住宿が千住掃部宿まで広げられたのは万治元年(1658)以降であるから、まだ当時は野中の社だったことだろう。
氷川神社の鳥居は日光街道を向いて西向きである。境内社のひとつに弁財天がある。「千寿弁財天」といい千住七福神のひとつ。弁天様と庚申を結び付けた江戸時代の自由さが何とも言えない。
富士の溶岩のような築山があり、その中央に洞がくり抜いてある。弁財天はその中に鎮座している。弁財天は女性の神様で、水との関係が深いが、特にこの地に水とのかかわりはなく、なぜこの場所に弁財天なのかはわからない。
舟型光背型の弁財天像は中央に弁天座像、尊顔の両脇に二鶏、足元に三猿が描かれている。上部には、「天尊奉立弁財像一躰 結衆欽言」とあり、両脇には10名ほどの願主名が刻まれている。造立年は元禄2年(1689)重陽(ちょうよう=9月)とある。弁財天の庚申塔は東京ではこれ一基らしい。
場所 足立区千住仲町48-2
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