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2022年4月16日 (土)

観音寺の石仏(新宿区高田馬場)

神田川に架かる小滝橋の少し北、左岸にあるのが真言宗の寺院観音寺。創建年代は不詳。かんこう坊というお坊さん(俗姓 中村氏)が開いたという。東大久保の人らしいから鉄砲組との関係もあるかもしれない。

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一間近代的な建築だが、石仏の多い寺院である。山門脇には向かって右手に2mを遥かに超える丸彫の地蔵菩薩立像。造立年は享保2年(1717)1月。左にはかなり新しいものだが、聖観音菩薩像の座像がある。寺院の御本尊も聖観音らしい。

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訪問時はちょうど法事が行われていて、山門前から写真を撮るのにしばらく待っていたら、副住職だろうか若いお坊さんが親切かつ明確に少しお待ちくださいとお声がけくださった。法事が終わると、目的を達したかどうかまで確認されたのには感心した。

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石仏は墓所の手前と奥にバラバラにある。奥のフェンスの近くには数基まとまっている。その中にあるのが板碑型の庚申塔で、造立年は寛文6年(1666)2月とかなり古いものである。「奉待庚申満願成就所」の文字の下に三猿が陽刻されている。その三猿が面白いのはそれぞれに性器が付いていることである。左から雄雌雄の順で、女猿が男猿を二匹従えているようだ。

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その近くには笠付角柱型の庚申塔がある。唐破風の笠の下には、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿が彫られている。青面金剛は三面六臂ではなく八臂である。造立年は正徳4年(1714)2月。右面には「武刕豊嶋郡 奉供養庚申 上戸塚村」とある。

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更にその脇には角柱型の馬頭観世音がある。造立年は明治19年(1886)4月の角柱型である。願主名は港熊五郎と刻まれている。

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もう1基の馬頭観音は墓所の中央にあった。自然石型で明治36年(1903)11月の造立である。裏側に紀年や願主名が刻まれている。発起人村越留吉、世話人比護弥助、長谷川篤三、その他願主名12人銘が読める。右の聖観音菩薩像は墓石である。延宝4年(1676)9月と古いもの。

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本堂の近くには六十六部供養塔がある。笠付角柱型は比較的珍しい。享保9年(1724)10月の建立で、願主は須貞氏。このほか丸彫の地蔵菩薩立像などが周辺には何基かあるが割愛する。

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興味深いのは他の寺院では見かけない供養塔があることである。上の写真の左は「牛馬飲料水石標」と書かれており、年代不詳だが明治の初め頃と推定される。郊外から都心へ農産物を運搬する牛馬の水飲み場が小滝橋辺りにあったのだろうか。右の角柱には「蛇霊供養塔」とある。蛇の供養塔は真っ先に倶利伽羅不動を連想させるが、これはシンプルな角柱型である。

場所  新宿区高田馬場3丁目27-26

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