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2022年4月19日 (火)

自性院の石仏(新宿区西落合)

自性院はどちらかというと豪徳寺と並んで猫寺として知られている。赤門があるのは路地の方の東側で、その前の通りは八千代通りというが、この近辺は殆どの道に〇〇通りと付けられている。赤門を入ってすぐ右に猫地蔵堂があり、その前に猫塚がある。私は丸い旧来の猫塚(昭和8年建立)よりも駒型の猫塚碑が好みかもしれない。こちらは歌碑風である。

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猫塚の先に本堂がある。一般的には赤門の東側よりも門柱のみの北門が新青梅街道に面していて正門の感じがあるが、普通北門は作らない。しかし明治時代の地図を見ると、なんとこの北門が正式の山門参道のようである。現在の通りは新青梅街道だが、昔も椎名町の西で分岐して江古田に向かう主要道だった。自性院の北西には昔は川が流れており、葛が谷と呼ばれていた。元からあった細流に千川上水の水を分水して用水としていたようだ。

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本堂を墓所側に回り込むといくつもの石仏が並んでいる。ただしほとんどは墓石で、数基のみの紹介になる。上の写真は角柱型の馬頭観世音菩薩で、造立年は不詳。文字は読み取れないが江戸時代後期から明治初期のものだろう。

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右の丸彫の座像は大日如来像である。寛文6年(1666)2月の造立で、落合村の長五郎らの願主銘がある。左側の舟型光背型の座像は菩薩だろうか、しかし墓石のようである。造立年は寛文3年(1663)8月とある。

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その近くには角柱型の庚申塔。造立年は宝暦11年(1761)11月。武州豊嶋郡葛ヶ谷村講中と西江古田村講中の銘がある。日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄で、中折れしているが補修されている。青面金剛像の顔が人間っぽくて面白い。

場所  新宿区西落合1丁目11-23

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