八成の民間信仰石塔(杉並区井草)
八成は下井草村、現在の西武新宿線下井草駅の北側一帯にあった地名である。現在の住居表示は井草になっている。旧早稲田通りである所沢道の傍らには説明板に「民間信仰石塔」と書かれた堂宇があり、複数の石仏がある。
堂宇の右奥脇には角柱型の馬頭観音が立っている。正面には「馬頭観世音」の文字、側面には「皇紀二千六百年 願主 小泉島右エ門」とあるので、昭和15年(1940)の造立である。一方堂宇の左手前には板状の「猿田彦神社」と書かれた石塔がある。こちらは昭和31年(1956)8月の造立である。
堂宇は施錠されているが引き戸がいかにも壊れそうな状態だったので格子の間から中にある石仏を拝観した。左にあるのが道標を兼ねた念仏供養塔。シンプルな角柱型で、正面には「念佛供養塔現當為二世安樂 行者 圓入」とあり、資料によると右側面には寛政5年(1793)8月の紀年と「是より 右 新高野へのミち」とある。左には「武州多麻郡井草村」「是より 左 中野への道」と刻まれている。
右の石仏は駒型の庚申塔である。造立年は寛保元年(1741)10月、日月、青面金剛像、二鶏、邪鬼、三猿の図柄で、武州多麻郡井草村の銘がある。左右側面には資料によると、「右 たなか道」「左 志やくじ道 講中拾四人」とあるらしい。左は石神井で右は田中村。
場所 杉並区井草2丁目24-6
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