東通りの地蔵尊(練馬区上石神井)
石神井公園三宝寺池から南に走るバス通りは都道444号下石神井大泉線だが、この道は昭和中期以降の新しい道。本来の南北の道は三宝寺の門前から南に向かい、松ノ木橋を渡って当時は和田の坂と呼ばれていた急坂を上っていた。一方下石神井天祖神社から西進してきた道は都道の下石神井小西交差点以西は東通りという通り名が付いている。都道西の最初の辻に地蔵尊があるが、この南北の道が旧道である。
練馬区の古老の話として記録されているのは、この旧道の坂は今よりもはるかに急な坂で人通りも少なくしばしばおいはぎが出たらしい。平成以降の世代においはぎと言っても分らないかもしれないがいわゆる路上強盗である。どうも坂道と橋と民家がまばらという三点セットが揃うとおいはぎが出るという話が残っていることが多い。
地蔵は丸彫の地蔵菩薩で、台石には享保13年(1728)8月の造立とある。正面には「奉供養地蔵菩薩」と書かれ、「武刕豊嶋郡」の銘がある。右面には「下石神井村 念佛講中 七十三▢」、左面には「上石神井村 講中」とあるので、ここが下石神井村と上石神井村の村境だったのだろう。現在の町境は都道になっている。
場所 練馬区上石神井3丁目6-36
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