上久保不動尊(練馬区下石神井)
上久保という地名はかつての石神井村下石神井の字で、現在の地名は下石神井だが江戸時代後期は上石神井村、後に石神井村となった。少し南を東西に流れる千川上水よりも南は上井草村で、不動尊前の道は千川上水から天王社(現在の天祖神社)に向かう道筋である(写真はその道から側道側を写している)。
立派な玉垣に囲まれた不動堂には地蔵尊と不動明王が祀られていた。練馬区の資料によるとかつてこの二体の石仏はここから100mほど南の路傍にあったという。ほぼ新青梅街道に近い辺りになるが、痕跡はない。右側の不動明王像は享保16年(1734)9月の造立。基壇に記された文字には「庚申待講中」とあり、庚申講中による不動明王は珍しい。その脇には「武列下石神井 本願 本橋吉之丞」とある。
左の地蔵菩薩はさらに古く元禄11年(1698)11月の造立。舟型光背型で地蔵尊の右側には「とり立主七良右衛門 施主廿一人」とある。堂宇内には絵馬などが飾られ、地元の人々によって守り続けられてきた様子が伝わってくる。
場所 練馬区下石神井5丁目2-4
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