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2022年7月 1日 (金)

西蔵院の庚申塔(台東区根岸)

台東区にある真言宗の西蔵院は不詳ながら寺伝では推定1400年代としている。2012年に落成した山門を額縁に見立てて本堂を見る。この場所にはかつて根岸小学校があったらしい。先代の林家三平の出身校である。明治7年(1874)に開校し、大正に入るまでここに在ったようだ。

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江戸時代この辺りは金杉村根岸という土地で、切絵図にはウグイスの絵が描かれている。JR山手線の鶯谷駅のもとになったウグイスである。ただ現在の地名に鶯谷はない。江戸時代に寛永寺の住職として京都から皇族が赴任してきていた。元禄時代に公弁という住職が「江戸の鶯は訛っている」と言ってわざわざ京都から鶯を運ばせて放したという伝説がある。

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山門をくぐると左手に堂宇があり、珍しい石仏が祀られていた。笠付の角柱だが、3面にそれぞれ二地蔵が描かれ、四面六地蔵となっている。三吉朋十氏は有蓋四面塔と記している。造立年代は不明。そもそも有蓋の四面六地蔵はここと文京区向丘の蓮光寺にしかない、極めて珍しいものらしい。ただ蓮光寺でその存在には気づかなかった。

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本堂の左手、墓所への入口に多数の石仏が並んでいる。どうも拝観を好んで受け入れていないようで、さっと撮影するのみであった。手前にあった写真の板碑型庚申塔は文字塔で下部に蓮花が描かれている。造立年は宝永5年(1708)霜月(11月)とある。中央には「奉待庚申爲供養」とあり、脇に願主名が8人銘刻まれていた。

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その先にあるのが板碑型だが中央に三猿が陽刻されている庚申塔で、下部には蓮華と蓮葉が描かれている。造立年は寛文8年(1668)8月と古いもの。中央上部には「奉待庚申供養二世安樂処」とあり、三猿の下には8名の願主名がある。

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継にあるこの舟型光背型の地蔵菩薩像は、足元に三猿があることで庚申地蔵とすぐに分かる。地蔵の右手には「奉造立庚申供養」と大きく書かれており、造立年は欠損していて読めないが、資料によると正徳元年(1711)7月らしい。「金杉村講中」の銘がある。

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庚申地蔵の右隣りにある板碑型の石仏だが、どうも庚申塔らしい。下部には蓮華が陽刻されているが、文字はほとんど読めない。造立年不明だが、資料でもよく分からない。

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少し先にある駒型の庚申塔は上中部が折れて補修した跡があり、書かれていた文字などは殆ど分からない。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿が陽刻されている。左手にあるのは資料によるとショケラらしい。おそらく3つに割れてしまったものを何とか修復したようである。

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さらに奥にある板碑型の庚申塔は左肩が欠損している。造立年は最も古く明暦2年(1656)12月とある。この翌月に明暦の大火が起こっている。下部には線刻の蓮華があり、正面には「庚申供養修営貴躰」「寒念佛明暦ニ丙申天」「一生成辨極月吉辰」とある。縁にある文字は「願主金杉村」「内田丹後修行之」と刻まれている。

場所  台東区根岸3丁目12-38

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