道しるべ地蔵其の二(練馬区石神井台)
富士街道の途中に「けやき憩いの森」という武蔵野の名残りがあり、その中にかつての田柄用水の痕跡が残っている。クランクして流れていく様子がわずかな土の盛り上がりと凹みで見てとれる。田柄用水はこの辺りでは富士街道に沿って流れていた。その交番のある森の交差点から南へ下る。
森の南の端で鋭角に道が重なる。その角の三角地帯に屋根付きで舟型光背型の地蔵菩薩像がある。写真の右の道を北へ行けば土支田へ、左の道を行けば保谷に向かう。どちらも江戸時代からある道で、富士街道の北東側は上土支田村、北西側は下保谷村で、富士街道以南は上石神井村だった。
地蔵菩薩の正面には「奉留満灌頂大光明真言成就二世安樂處」とあり、下部に「左 田なし道」とある。保谷を経て田無へ行くのである。右側面には「右 こぐれ道」とある。小榑のことで上土支田村の地名である。左側面には「武刕豊嶋郡上石神井邑西沼講中四拾一人 願主 本橋五左衛門」と刻まれている。西沼という地名は分からない。沼邉の西側ということだろうか。
場所 練馬区石神井台8丁目21
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