観音寺の石仏(足立区綾瀬)
常磐線綾瀬駅西口からすぐのところにある真言宗の観音寺。創建は江戸時代の初期だと伝えられる。この辺りは江戸時代に入って開発が進み、五兵衛新田と呼ばれていたらしい。その時代からの地元の菩提寺である。
境内に入るには左の方にある勝手口のような門から。本堂前にあるのはひときわ大きな舟型光背型の聖観音立像で、造立年は寛文4年(1664)極月(12月)と刻まれている。「奉造立庚申供養二世安穏所也」とあるので、庚申講中による建之である。下の方には右に10名、左に8名の願主名が刻まれている。
左脇にある駒型の庚申塔は、寛政10年(1798)11月の造立。日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄で、左手にはショケラを下げている。右側面には「庚申講中廿五人」とある。右の一部欠損した舟型の地蔵菩薩像は元禄4年(1691)8月のものだが墓石らしい。
3基の後ろには2基の石仏がある。左は舟型の丈菩薩像で、文政10年(1827)3月の造立。「為有縁無縁先祖代々菩提」と書かれている。右の舟型光背型の如意輪観音像は上部が欠損している。造立年は全く同じで、分析10年(1827)3月。こちらには「先祖代々三界万霊増進仏果」と書かれている。脇にある願主名「現住憲澄代 金子左内」というのも同じなので同時に建てられたものだろう。
場所 足立区綾瀬4丁目9-6
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