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2022年8月 8日 (月)

善養寺の石仏(葛飾区西亀有)

浄土宗南照山善養寺は目立たない寺院。江北橋通りに面しているが大きな山門はない。しかし門前の江北橋通りはかつての水戸街道である。この辺りの古い地名は砂原といい、水戸街道に面して民家が集まっていた。元禄時代から続いた砂原町の地名は昭和40年に西亀有の一部に改められた。

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砂原は昔、東京低地が陸化する際に後退した海岸線付近に出来た砂州がもとになっているらしいが、この地の海抜は+0.4m、それでも周辺はマイナスだから少し高いと言えそうだ。門扉を挨拶をしながらくぐらせていただき境内に入る。

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境内に入ってすぐに目に入ってくるのがこの3基の石仏。中央の大型の舟型光背型の石仏は阿弥陀如来像で、寛文3年(1663)正月の造立。右側には「為師聖父母菩提修是」とあり、左には「三回有縁無縁平等利益」とある。右の駒型の庚申塔は、日月、青面金剛像、邪鬼、二鶏、三猿の図柄で、造立年は享保3年(1718)10月。「奉造立供養庚申 武刕西葛西領砂原村講中」の銘がある。左にある小さな舟型の石仏は如意輪観音像で、右に「一心供養」とあり、左には明和元年(1764)1月の紀年がある。

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その先にあるのは舟型光背型の六地蔵菩薩。造立年は一部のものを参考にすると元禄10年(1697)と思われる。刻銘は右から「輪廻生死焼罪苦」、二番目は紀年に加えて「奉供養六道地蔵二世安樂所」、「実相成就風颯之」、「法▢無作遊阿土」、「奉造立六地蔵 十方旦那二世安樂処」と刻まれている。やはり6基セットで組まれたものであろう。

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六地蔵の右後ろ、ヤツデの影にあったのが舟型光背型の庚申地蔵である。造立年は寛文12年(1672)8月。右側に「法寄進庚申供養」とあるので庚申地蔵と判定した。上部や側部が若干欠損しているがきれいに保たれている。

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もう一基目立っていたのがこの丸彫の地蔵菩薩像。造立年は元禄11年(1698)7月である。蓮台に「奉造立念佛供養 為仏果増進也」とある。どうやら女念仏講中によるものらしい。おそらく江戸時代に入って100年ほど経った頃、ここは水戸街道沿いで多くの旅人が通っていたことだろう。そんな想像ができる境内の石仏であった。

場所  葛飾区西亀有3丁目43-5

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